ほぼ日刊ヒトミ通信

[ホームに戻る] [利用方法] [管理用]

  サバイバル
2014年01月16日 (月)

小野田寛郎さんがお亡くなりになりました。享年92歳。

私が初めて(そして唯一)小野田さんのお話を聞く機会を得たのは、今から9年前の2005年。JC近畿地区の副会長を務めていた関係で、和歌山ブロック会員大会にお邪魔させていただいた時でした。

開催地が海南市だったこともあり、地元出身の小野田さんが基調講演をされました。「あ〜あの人が小野田さんなんだ」、気軽な気持ちで聞き始めたのですが、途中からその迫力・内容の奥深さに聞き入ってしまったことを今でも覚えています。

(以下 その時の講演内容から)

報道されている通り、小野田さんは陸軍中野学校出身の情報将校、つまり「スパイ」でした。日本軍がフィリピンに再上陸するときのため、マニラ湾を目の前にする戦略拠点であるルパング島における長期陽動作戦を命じられます。

米軍に追われ山中に逃げ込んだ敗走兵を集め、攻めては逃げる、攻めては逃げるの繰り返し。食料はもちろん、武器・弾薬に至るまで敵の物資を手に入れながら、信じられない精神力で死地を乗り越え命令を遵守し続けた。

「皆さん、『サバイバル』ってどういうことかわかりますか?」

静かな、しかし確固たる口調でお話しを続けられます。

「『サバイバル』とは、今までのやり方では生きていけないということです」

「その状況になった時にやることは3つあります」

「まず第一に生きる目的を明確にすること。
 なんのために生きるのか。
 それが明確にならなければ力が湧いてこない。
 『なんとしても生き抜く』という力の源です。」

「生きる目的が明確になれば
 次は現状を把握する。

 食料や弾薬の残りはどれくらいあるのか。
 敵の人数は、配置は。味方の能力は。
 天気や地形等、今自分の置かれている状況をできる限り把握する
 ここで間違えると生き残れません」

「そして70%の成算があれば直ちに実行すること。
 もう少し上がるまで、90%になるまで待っていたら
 もしかすると30%になってしまうかもしれない。
 そうなると死んでしまいます。

 70%なら十分。
 あとは実行しながら確立を上げていけばいい。
 直ちに行動に移すのです」

(ココまで)

聞きながら、これはビジネスの話と一緒だと思い、講演ネタに使うため必死でメモしたおかげで、今もこうしてブログネタに使えるわけです。

けれども「ビジネスの死」と、小野田さんが30年間直面していた「人間の死」では、当然のことながら比べようもありません。凄い迫力におされ身震いするような思いで聞き入っておりました。

すでに80歳を超えておられましたが、背筋をビシッと伸ばし、懇親会でも椅子に座らずずっと立っておられました。もちろん挨拶させていただきましたが、「意思力」の強さが全身からにじみ出ていたような記憶があります。

いろんな方に「機会があるなら、是非講演を聞きに行った方がいい。ご高齢なので急いだ方がいい」と言ってきましたが、ついに間に合わなくなってしまいました。

心よりご冥福をお祈りします。

合掌



- WebCalen -